ここ数年、「終活」や「エンディングノート」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
「まだ元気だし、縁起でもない」 「何を書けばいいか分からない」
そう思っている方も多いかもしれません。
しかし、50代からエンディングノートを書いておくことは、決して早すぎることではなく、自分自身と家族のために非常に有益な準備です。
この記事では、終活ノートの基本的な書き方や50代のうちに準備しておきたいポイントを、実際の体験を交えて分かりやすく解説します。
Contents
終活・エンディングノートとは?
終活とは、人生の終わりに備える活動全般を指します。 その中でも「エンディングノート」は、自分の考えや希望を整理して書き残しておくためのツールです。
形式に決まりはなく、市販のノートやアプリ、手書きのメモでもOK。要は「家族や大切な人が困らないように」「自分の意思を伝えるために」書くものです。
最近では本屋さんで見かける機会も多くなり、ノート形式のものから、スマートフォンで書き込めるデジタル版までさまざまな選択肢があります。 気負わず、自分に合った形で始めてみましょう。
エンディングノートに書くべき基本項目7つ
① 自分自身の基本情報
- 氏名、生年月日、住所、血液型など
- 保険証や運転免許証などのコピーを貼るのも◎
② 財産について
- 銀行口座、証券口座、保険、不動産、年金情報など
- 金融機関名・支店・口座番号や保管場所も書いておく
- 使用していない銀行口座やクレジットカードは解約するのも一案
③ 医療・介護についての希望
- 持病、服用中の薬、かかりつけ医
- 延命治療の希望、認知症になった場合の介護方針など
- 誰に医療方針の決定を託すかを考えておくと安心
④ 葬儀・お墓について
- 葬儀の希望(家族葬・一般葬など)
- 呼んでほしい人や知らせてほしい人
- 墓地や納骨の希望、生前契約したい意向があればその旨も
⑤ 相続と遺言について
- 相続の希望(遺言書がある場合は場所も)
- 財産をどう分けてほしいか、自分の想いも添えて
- 法定相続人や割合についても簡単にメモしておくと家族に親切です
⑥ 家族へのメッセージ
- 感謝の気持ちや伝えたい想いを自由に記載
- 形式にとらわれず、自分らしい言葉でOK
- 過去の思い出や今後の願いを書いても◎
⑦ 保管場所と伝達方法
- ノートの保管場所は必ず家族に伝える
- 定期的に見直し・更新できるような仕組みもあると◎
- デジタルで書く場合は、パスワードの伝達もお忘れなく
50代で終活を始めるメリット
「終活は定年後で十分」と思われがちですが、50代から始めておくことで以下のようなメリットがあります。
- 心身ともに元気なうちに冷静に判断・準備ができる
- 財産や書類などの整理を余裕を持って進められる
- 突然の病気や事故に備えることができる
- 自分の気持ちと向き合い、これからの人生設計にも役立つ
実際、筆者自身も40歳から終活に関心を持ち、50代を迎える前にエンディングノートの第一稿を書き始めました。
また、世の中には、終活でなくても、20代からエンディングノートを書いている人もいるそうです。
「今」を整えることで、「これからの生き方」への意識も高まり、日々の暮らしの質が上がったように感じています。
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エンディングノートのよくあるQ&A
Q. 字を書くのが苦手でも大丈夫? → パソコンで打ち込んで印刷→ノートに貼り付け、でもOK。家族が読みやすいことが大切です。
Q. 相続のことは書いていいの? → 法的効力を持たせたい場合は「遺言書」を別途準備を。ただし、気持ちや考えを伝えるだけでも意義があります。
Q. どこに保管したらいい? → 家族が見つけやすく、紛失しにくい場所(鍵付きの引き出しなど)。 「◯◯に置いてある」と口頭で伝えておくのが確実です。
相続・税金の心配は「専門家選び」がカギ
終活をしていると「相続税、大丈夫かな?」と不安になることも。
そんなときは、「相続に強い税理士」に相談するのが安心です。
税理士にも得意分野があり、相続を専門にしていないと対応が難しいケースもあります。
私も過去に税理士へ相談したことがありますが、確定申告などの業務が専門で、相続については扱っていないということがありました。
そのため、相続専門の税理士に早めに目星をつけておくことが重要です。
初回無料相談を設けている事務所も多いため、気軽に問い合わせてみてください。
法定相続人とその割合の基本
エンディングノートや遺言に触れるなら、法定相続人についても基本だけは押さえておきましょう。
相続の優先順位:
- 第一順位:配偶者と子ども(子が亡くなっている場合は孫が代襲)
- 第二順位:配偶者と親などの直系尊属
- 第三順位:配偶者と兄弟姉妹(亡くなっている場合は甥・姪が代襲)
相続割合の一例:
- 配偶者と子ども → 各1/2ずつ(子は人数で分ける)
- 配偶者と親 → 配偶者2/3、親1/3
- 配偶者と兄弟 → 配偶者3/4、兄弟1/4
このような基礎知識があるだけで、相続時の混乱が防げることもあります。
まとめ 終活ノートは“人生の再設計ツール”
エンディングノートは、ただの“死後の準備”ではありません。 自分の考えや希望を整理し、「これからどう生きたいか」を考える“人生の再設計”にもなります。
誰かのためでもあり、自分のためでもあるノート。 50代からの終活は、未来を守るだけでなく、今の自分を豊かにする第一歩。
ぜひ無理なく、少しずつ始めてみてくださいね。
