ここ数年、「終活」や「エンディングノート」という言葉を良く聞くようになりました。
昔は、
「自分が亡くなった後のことなど考えたくない!」
という人も多かったので、遺された人たちが大変な思いをしてしまった…ということもあったのではないでしょうか?
遺される人たちのことを想うなら、きちんと自分の将来について考えておきたいですよね。
将来の不安を無くしセカンドライフを楽しむためにも、早めに終活を始めることが大切です。
今回は、そんな「終活」について私なりに解説していければと思いますので、良かったら参考にしてみてください。
Contents
終活とは何なのか?
終活とは、自分の最期について、元気なうちに整理しておくことです。
具体的には、以下のようなことを行います。
エンディングノートの作成を行う。
エンディングノートには、相続・自分の亡くなった後にやってほしいこと・家族に伝えたいこと・自分史etc・・・などを書いておきます。
最近では本屋さんでもよく見かけますし、スマートフォンアプリもあるようなので、お好きなほうでスタートすると良いでしょう。
資産の整理をする。
銀行口座、クレジットカード、株・投資信託・加入している保険などの状態を確認し、リストアップしておきます。
その際、使用していない銀行口座や余分なクレジットカードなどがあれば、解約しておくこともおススメです。
不動産があれば、一度専門業者に鑑定に出しておくと、自分や子供たちの安心にも繋がります。
葬儀やお墓の準備をする。
どんな葬儀をしてほしいか、誰を呼んでほしいか、などを考えておきます。
お墓は生前建ててしまうという方もいますが、お墓の具体的な希望を考えておくだけでも良いでしょう。
断捨離をする。
家の中がごちゃごちゃになってしまっている人は、これを機に整理しましょう。
あまりにも家の中が物で溢れかえっていると、遺された家族が大変な思いをしてしまいます。
遺言書を作成する。
相続争いにならないためにも、誰に何を残したいか考えておくことが大切です。
相続税対策について考える
ある程度の財産を持っている方は、相続税を必要以上に払ってしまうことのないよう、信頼できる税理士事務所を探しておくのことをおススメします。
終活は何歳から始めたら良いの?
終活は、定年を迎える60~65歳くらいから考え出す方が多いのではないでしょうか?
「自分の亡くなった後のことは縁起が悪いので考えたくない」と気持ちは分かりますが、人は誰もがいつどうなるのか分からないものです。
私のおススメ終活開始年齢は「50歳」。
早ければ早いほど良いと思っています。
元気なうちから整理をしておくことで、今後の人生の安心感に繋がっていきますよ。
エンディングノートの書き方は?
本屋さんに行くと色々なエンディングノートが販売されています。
自分が書きやすそうだと思えるノートを選んでください。
エンディングノート作成にあたっては何の法的ルールもありません。
ノートを入手したら、以下のことを基本に自分の思うように書いていきましょう。
自分自身の基本情報
氏名・生年月日・血液型・住所・家族構成など、自分自身の基本情報について書いていきます。
財産のこと
自分が保有している銀行預金・株・投資信託・不動産・保険などの財産を一覧にしておきます。
金融機関名(支店名)から口座番号、カードなどの保管場所も書いておくと良いでしょう。
医療のこと
突然意思疎通ができなくなってしまったときのために、かかりつけの病院、持病、服用している薬を書いておきましょう。
また、延命治療に関して自分の意志を書くことも必要です。
葬儀やお墓のこと
葬儀について希望がある場合は、葬儀の種類(家族葬・一般葬など)や呼んでほしい人などを書いておきます。
相続・家族に伝えたいこと
遺産相続について書いたり、遺された家族に伝えたい素直な気持ちをメッセージとして残しましょう。
*相続の希望がある場合、法的拘束力を持たせることができるのは「遺言書」なので、遺言書も別途準備する必要があります。
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エンディングノートが書き終わったら、ノートの在処を家族に伝えるようにしてください。
また、大切な情報なので絶対に紛失しない保管場所で厳重管理されることをおススメします。
法定相続人とは何?
法定相続において、遺産相続できる人は決まっています。
以下の図をご覧ください。
引用:三井住友銀行HP
配偶者は常に必ず相続人になります。
それ以外の人たちには優先順位が設けられています。
- 第一順位・・・子(子が亡くなっている場合、代襲相続人として孫)
- 第二順位・・・親などの直系尊属
- 第三順位・・・兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなっている場合、代襲相続人として甥・姪)
*孫が亡くなっている場合は更にその子供が代襲相続できますが、甥・姪が亡くなっている場合はその子供が代襲相続することはできません。
また、法定相続の割合については以下の通りです。
相続順位 | ||
第一順位 | 配偶者 1/2 | 子 1/2 を人数で分ける |
第二順位 | 配偶者 2/3 | 親 1/3 を人数で分ける |
第三順位 | 配偶者 3/4 | 兄弟姉妹 1/4 を人数で分ける |
この辺までは簡単に覚えておくと何かと安心です。
相続専門の税理士を探しておこう
終活を進めていくと、相続の問題に必ずぶつかることとなります。
「相続税がかかって子供に迷惑をかけるんじゃないか?」
と心配なさる方は多いのではないでしょうか?
遺産が多く相続税が多くかかりそうな方は特に、税理士に相談されることをおススメします。
理由は以下の通りです。
なぜ、相続の手続きを税理士にお願いしたほうが良いのか
相続の手続きは自分でもできます。
それでも
- 「親が亡くなって、相続の申告が必要なのか分からない」
- 「何をしていいかすら分からない」
- 「適正な税額なのか分からない」
という相続人の方が殆どだと思います。
亡くなった人の資産が多めだったり、配偶者が既に亡くなっている上で子どもが一人だったりすると、相続税の金額が多くなったりしますよね。
相続税の計算には複雑なルールがあります。
専門家である税理士に依頼することで、税金の払い漏れや過剰に納める心配は無くなります。
相続専門の税理士に相談することが大切
私は以前、税理士に電話して、相続の相談に乗ってもらえるのか聞いたことがあります。
結果は「NO」でした。
厳しい勉強を経て難しい税理士試験を突破した優秀な税理士と言えど、得意分野というものがあります。
基本的に税理士の多くは、個人事業主や法人の税額計算と税金申告の代理を主な仕事としている人が多いようです。
頻度の低い「相続」を強みとする税理士はあまりお目にかからない印象です。
だからこそ、「相続専門の頼れる税理士」を早めに探しておくことが大切です。
初回相談料は無料に設定されていることも多いので、気軽に相談してみましょう!
まとめ
終活を行うということは、遺された人のことを想うだけでなく、自分の今までの人生を振り返って今後に役立てることもできます。
早めに準備をしておくのに越したことはありません。
終活を進めながら、安心してこれからの人生を楽しんでいきたいですね。