資産形成

外貨建てMMFとは?おすすめしない?メリットとデメリットを解説!

「外貨建てMMF」という金融商品はご存知でしょうか?

外貨建てMMFは、比較的リスクの少ない投資信託として多くの投資家から人気を集めている商品です。

しかし、外貨建てMMFはそこまで身近な存在ではないことから、投資にあたり色々と不安に思う方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、実際に外貨建てMMF購入経験のある私が、以下の点について解説していきます。

  • 外貨建てMMFってどんな商品なの?
  • 外貨建てMMFと外貨預金との違いは?
  • 外貨建てMMFのメリットとデメリットは?

外貨建てMMFに興味のある方は参考にしてみてください!

外貨建てMMFってどんな商品なの?

外貨建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)とは、格付けの高い外貨建ての短期証券に投資する投資する投資信託のことです。

短期証券とは具体的にどのようなものかといいますと、短期の国債・社債・地方債などです。

外貨建てMMFは比較的安全性が高い商品で、その通貨の金利水準が運用に影響しやすい傾向にあります。

外貨建てMMFと外貨預金との違いは?

安全性の高い外貨商品としてまず思いつくのは、「外貨預金」だと思います。

同じく安全性が高いとされている外貨建てMMFとごっちゃになってしまう方も多いのではないでしょうか?(以前の私もそうでした。)

外貨建てMMFと外貨預金って同じ商品じゃないの?
似てるように感じるけど、そもそも投資信託と預金だから商品自体違うよね。
すずり
細かい違いが知りたいなぁ。
外貨建てMMFと外貨預金の違いを以下の表にしてみたよ!
すずり
外貨建てMMF 外貨預金
収益 分配金・為替差益 利息・為替差益
費用 信託報酬 なし
税金 分配金の20.315%が源泉徴収、為替差益は申告分離課税の対象 分配金の20.315%が源泉徴収、為替差益は雑所得として申告要
元本保証 なし 外貨ベースでの保証あり
利回り 運用の成果によって変わる 確定利率

↑こちらの表を見ても分かるように、外貨建てMMFと外貨預金ではいくつかの大きな相違点があるのです。

外貨建てMMFのメリットとデメリットは?

次に、外貨建てMMFのメリットとデメリットについて学んでいきましょう!

メリット

外貨建てMMFには投資家からすると大変魅力的なメリットがあります。

以下にそのメリット4つを説明していきます。

メリット① 利回りがよい

外貨建てMMFの利回りは、例として、2023年12月時点では大体以下の通りでした。

  • 米ドル 4.7~4.9%
  • 南アフリカランド 7.2%
  • トルコリラ 30.7%

日本の普通預金の金利が大手銀行で0.002%なのと比較すると、大変良い利回りですね。

ただ、金利は数日で変わることもあるので(特に米ドル以外)、適宜確認が必要です。

利息は月末に再投資できるので複利効果も期待することができます。

メリット② 少額から購入出来て売買手数料がかからない

外貨建てMMFは購入価格1,000円程から購入できます。

また、売買手数料がかからないもの嬉しいポイントです。

メリット③ いつでも売買可能

外貨建てMMFは、預入期間の決めはなくいつでも売買可能なので、気軽に取引をすることができます。

メリット④ 株式・投資信託と損益通算できる

外貨建てMMFの利益は申告分離課税となり、特定口座での取引の場合、株式・投資信託との損益通算が可能です。

株や投資信託を保有している人の分散投資には適しているといえます。

損益通算とは

同一年内(1月~12月までの1年間)に取引した金融商品の損益を通算すること。利益と損失を相殺することでその年の税負担を少なくすることが出来る。

デメリット

外貨MMFには、メリットだけではなくもちろんデメリットも存在しています。

以下にあげる4つのデメリット内容をよく把握しておくことにより、無理のない運用ができるように心がけましょう。

デメリット① 信託報酬の支払いが必要

外貨建てMMFにおいては「信託報酬」を支払わなくてはなりません。

信託報酬とは、投資信託を運用・管理してもらうために投資家が負担する費用のことをいいます。

デメリット② 元本保証がない

日本国内の普通預金や定期預金であれば、預入先の金融機関が破綻したとしても、1,000万円までの元本が保証されます。

一方で、外貨建てMMFは元本保証がありません。

元本割れする可能性は低いのですがゼロではありませんので、常に頭の片隅に置いておいたほうが良いでしょう。

デメリット③ 為替・金利・価格などの変動リスクがある

外貨建てMMFには以下のような変動リスクがあります。

  • 価格変動リスク:金融商品の価値が変動するリスク
  • 金利変動リスク:世の金利の動向に影響されるリスク
  • 為替変動リスク:為替レートの変動によって損失を被るリスク

この中でも特に注意したいのが「為替変動リスク」。

為替変動リスクとは、自分の持っている外貨建て資産を売却する際に、購入した時より円高になっていた場合、円での受取額が減り損失が生じてしまうことをいいます。

たとえば、10ドル分の外貨建てMMFを購入するとします。

買った時は1ドル120円だったのが、円高が進み、売るときには1ドル110円になっていたらどうなるでしょうか?

<購入時>

120円×10ドル=1,200円

<売却時>

110円×10ドル=1,100円

1,200円-1,100円=100円の損失となるのです。

デメリット④ 為替差益に税金がかかるようになった

為替差益とは、為替レートの変動により生じた利益のことをいいます。

2015年12月31日までは為替差益に対しては非課税でしたが、それ以降、法改正により20.315%の税金が課されることになりました。

まとめ

外貨建てMMFにおいては、その時の金利や為替レートによって高い利回りを期待することができます。

低金利環境下にある日本人にはとても魅力的な商品です。

しかし、いくつかあるリスクも気になるところ。

私も以前、外貨建てMMFを長くやっていましたが、円高にふれてしまっていたのと2016年からの為替差益に対する課税が気になり辞めてしまいました。

(売却の結果は、円高になっても高利回りのおかげでかろうじて10%ほどのプラスでした。)

外貨建てMMFは、元本割れが許容できない人や金利や為替レートを気にしたくない人にはお勧めできません。

もし、始めたい方は、リスクを良く理解した上で少額・米ドルから考えてみるのはいかがでしょうか?

*この記事は、商品説明と筆者の個人的見解であり、投資を勧めるものではありません。

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