お金の悩みとしていつも上位にあがってくるのが、「老後資金」についてです。
40代50代を超えてくると、老後の不安を強く感じ始める人が多いようです。
更に近年では、主に独身を意味する「おひとりさま」という言葉も良く聞くようになりました。
おひとりさまは家庭持ちの人以上に、老後資金や老後の生活について心配されている人が多いのではないでしょうか?
おひとりさまの老後対策について学んで、不安を少しでも解消していきましょう!
おひとりさまの意味は?
おひとりさまとは、一人で暮らしている状態の人を指します。
主に独身の人を指すことが多いです。
日経新聞の2023年最新の発表によると、日本全体の生涯未婚率は、男性28.25%、女性17.85%にもなり、今後ますますおひとりさまの割合は増えていくと予想されます。
しかし、おひとりさまとは独身者だけを指すわけではありません。
パートナーと別れて(離婚や死別)一人になった人もそう呼ばれます。
また、今は結婚して子供がいる人でも、今後誰でも、おひとりさまになる可能性はあるのです。
おひとりさまの金銭面のメリット・デメリット
まずは、おひとりさまの金銭面でのメリットとデメリットを見てみましょう。
おひとりさまの金銭面のメリット
独身者は、扶養する配偶者や子供がいないので、自分のこと以外にかかる出費がありません。
誰にも干渉されず、自分に何を買っても良し、どんな趣味を持っても良し。
自分の給与を自分のためだけに使うことができます。
若いうちは、「おひとりさまって最高!」と思う人も多いかもしれません。
おひとりさまの金銭面のデメリット
収入面でのデメリット
既婚者は扶養家族がいることで税金や社会保険料の負担が少なくなります。
逆に、独身者は控除されるものがありません。
そのため、給与が同じであったとしても、独身者は既婚者よりも手取り収入が少なくなります。
コスパ面でのデメリット
例えば、食事をつくるときの出費を考えてみます。
1人分を作るのも2人分を作るのもそこまでコストが変わるわけではありません。
2人分を作るからと言って、材料費が1人分の倍になるわけではありませんよね?
また、独身者は、1人分だけ作るのは材料を使いきれないし面倒くさいとのことで、外食でお金を使ってしまう人も多いのではないでしょうか?
光熱水費や家賃も然り、コスパの面で考えると、おひとりさまは割高になってしまうのです。
おひとりさまの生活の問題
おひとりさまには、金銭面でのメリットとデメリットがあることは前項でご説明した通りです。
けれど、おひとりさまが本当に大変になってくるのは「親の介護」~「自分の老後」あたりの年代になってからなのです!
金銭面だけでなく、生活上での不安も増してきます。
それでは、おひとりさまが直面する「生活の問題」について考えてみましょう。
親の介護問題
一人っ子の独身者が親の介護をするのは、なかなか大変なことです。
もし、一人っ子ではなく兄弟がいたとしても、兄弟が既婚者だった場合、相手に遠慮して結局一人で親の介護を背負ってしまいがちです。
親も親で、独身の子供のほうに頼りがちになってしまいます。
終の棲家問題
老後には持ち家があるほうが安心できると思います。
賃貸は独居老人を敬遠する傾向があるというのもその理由の一つです。
友達と疎遠になっていく問題
年齢を重ねるごとに、周りはどんどん結婚して、子どもや孫が生まれていきます。
独身者は、既婚者の友達とは話が合わなくなってきたり、連絡をとるのを遠慮しているうちに、どんどん疎遠になっていくパターンは多いのではないでしょうか?
親戚についても同じことで、「昔はよく会っていたのに最近は全く音沙汰なし…。」ということも…。
人間関係のストレスからは軽減されるものの、日常生活での孤独感やいざという時に助け合えないという不安感に苛まれることがあります。
自分の死後の手続き問題
頼れる子供や孫がいないおひとりさまは、自分の死後(葬式・火葬・財産の行方)などについて心配する方も多いと思います。
子どもがいるなら子どもたちに任せてしまうという手もありますが、1人であればそうはいきません。
自分で自分の最期のことまで責任をもって考える必要があります。
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おひとりさまの対策
おひとりさまには金銭的にも生活的にも不安が付きまとってきてしまうことが多いです。
少しでも不安を減らすために考えておきたいことをまとめてみました。
お金を貯める
綺麗ごと抜きで、「お金」は多く持っているに越したことはありません。
特におひとりさまは、老後を生き抜いていくために既婚者以上にお金が必要になってきます。
なるべく早い段階から、節約・運用で、老後資金を作っていきましょう。
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地域包括支援センターを頼る
親の介護を一人で対応するとなるとかなりの負担になってくる場合があります。
1人で全てを抱え込んでしまう人も多いと聞きます。
そのようにならないためにも、最寄りの「地域包括支援センター」を頼りましょう。
介護について色々と相談に乗ってくれたり、対応策を考えてくれます。
最寄りの地域包括センターの連絡先を事前に把握しておき、何かあれば早めに相談できるようにしておくと良いでしょう。
介護離職を避ける
介護をきっかけに仕事を辞めてしまうと、収入が途絶え、次の仕事を探すのも困難です。
介護休暇を取得しながらでも地道に仕事を続けていくことが、介護ストレスの気晴らしになったり、孤独感の解消にも繋がると、私は思います。
老人ホームを探す
老後に入居を考える場所として代表的な施設の例は以下の通りです。
施設種類 | 初期費用 | 月額利用料 |
特別療養老人ホーム | 0円 | 5万円~15万円 |
介護老人保健施設 | 0円 | 8万円~14万円 |
ケアハウス | 数百万円以内 | 10万円~30万円 |
介護付き有料老人ホーム | 0円~数百万円 | 15万円~30万円 |
グループホーム | 0円~数十万円 | 15万円~20万円 |
特別療養老人ホームなどの公的な施設だと費用が比較的少なくて済みます。
一方で、介護付き有料老人ホームなどの民間施設は、費用が上がりますが入居者に合わせたサービスが豊富です。
最近では、シェアハウスに似たサービスである「コレクティブハウス」などといった住まい方も出てきています。
自分に合った施設を早めに検討しておくと良いでしょう。
友人や親戚付き合いを続ける
放っておくと疎遠になってしまう、友人・親戚付き合い。
できるだけ自分から連絡をとって、付き合いを続けられるようにしましょう。
新しい趣味のサークルに参加したり、行きつけの場所を作って、新しい知り合いを見つけていくのもおススメです。
入院時の保証人を探す
手術などで入院する場合、基本的には「身元保証人」や「手術の同意書」へのサインが求められます。
独身者はこのサインをしてもらえる人を探しておくことも大切です。
自治体に身元保証人のサインが必要のない病院を紹介してもらうことも検討しましょう。
死後手続きの代理人を探す
おひとりさまにとっては、自分の死後に関しても気になるところ。
放っておいても誰も手続きをやってくれません。
死後の事務手続きを公正証書の作成などで生前に依頼することのできる「死後事務委任契約」や、エンディングノートを預かって依頼者の希望通りの死後手続きを行う「おひとりさま信託」(三井住友信託銀行)などを事前に調べておくこともおススメします。
まとめ
おひとりさまは、自由にお金を使えて自由に生活できるのがメリットです。
一方で、ある程度の年齢になってくると、生活への不安が増してくるのが大きなデメリットでもあります。
最後までお読みいただきありがとうございました。